子育て発達コラム 「言葉の遅れの原因~視覚が強いことの理論的な説明」
- 3月14日
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療育教室 楽しい広場が19年間早期療育を行ってきた中で、「言葉の遅れ」の原因と考えられることが大きく二つあります。一つは「お母さんとのかかわりが少ない」、もう一つが「視覚が強い」という身体的特徴があることです。
「視覚が強い」という子どもさんの特徴は前回のコラムに書きましたが、まとめると「細かいものが良く見える」「動画などの視覚情報を大量に記憶することができる」ということが言えると思います。
もちろん、「視覚が強い」子どもさんが皆言葉が遅れるのではなく、その一部の子どもさんに何らかの要素が加わって「言葉が遅れる」と考えられます。
さて、「視覚が強い」ということを理論的に考えるとき、基盤になる理論があります。
それは1983年にアメリカのカウフマン夫妻によってつくられた「KーABC」という知能検査の基礎理論で、「カウフマンモデル」と呼ばれる理論です。
その中で、人間が皆もっている脳の認知処理機能の類型として、「同時処理機能」と「継次処理機能」の二つが挙げられています。定義は、次のようなものです。
【同時処理機能】
複数の情報をまとめ、視覚的・運動的な手掛かりを使って全体としてまとめ、処理していく。視覚的な記憶力、全体を部分に分解する能力、空間認知能力などに結び付いていると考えられる。
【継次処理能力】
連続した刺激を聴覚的・言語的な手掛かりを使って一つずつ順番に分析し処理していく。短期記憶、情報の系列化の能力などに結び付いていると考えられる。
ここで具体的な例で考えてみますと、例えば「6380597」という7桁の数字を覚えようとするとき、「ろく、さん、はち、・・・・」と口で言いながら順番に覚えていくのが「継次処理機能」、一方数字を見て写真のように全体を一括して記憶するのが「同時処理機能」と考えられます。
★「視覚が強い」とは、「同時処理機能」が強いこと
「KーABC」の知能検査では、検査結果で「同時処理機能」と「継次処理機能」のどちらが強いかが分かります。
通常、人間はこの二つの機能のうち、「継次処理機能」の方が強いと言われています。ところが中には「同時処理機能」が強い人がいます。当然子どもさんにもいます。
そして、我々療育教室 楽しい広場では、「視覚が強い」と言われる子どもさんたちは、この「同時処理機能」が強い子どもさんではないか、と考えています。
なぜなら、「同時処理機能」が強いとしたら、「視覚が強い」子どもさんの特徴の説明が十分つくからです。
では、なぜ「視覚が強い」一部の子どもさんが「言葉が遅くなる」のかについては、次回説明をいたします。
今回は以上です。
