子育て発達コラム 「お母さんが変われば子どもさんも変わる」
- 崇弥 伊澤
- 2月11日
- 読了時間: 2分
「お母さんが子どもの発達の重要な存在である」というのが、早期療育を18年間行っている、我々「療育教室 楽しい広場」の基本的な考え方です。発達相談などではお母さん方に「子どもさんはお母さんの安心感の上で活動を広げていきます」というような言い方でお伝えしています。
その根拠になるのが、発達心理学における人間の親子にある「愛着関係」ついて、1970年代にイギリスの児童精神科医のボウルビィが提唱した理論です。
人間の親子には「愛着関係」という緊密で情緒的な関係があります。それによって、本来無防備で独力では生きていけない乳児は生きていけるのですが、その中心がお母さんであるというのがその主旨です。かもやガンなどの鳥の雛が生後間もない時期に最初に出会った対象(親鳥ではなく人間でも良い)の後追いをし、絶えずくっついていようとする現象が知られれていますが、ボウルビィは人間にも同じようなことがあるのではないかと考えました。そして人間にとっても、最初の接触による慰めや安心感を与えてくれる存在にくっついているのが重要である、という理論を提唱したのでした。
そう考えると、その存在は「お母さん」になることが多い、ということです。ただし、事情によってはそれが「おばあさん」になったり「お父さん」になったりすることもあり得ます。
以上のことを基に考えると、子どもさんの発達に影響を与えるキーパーソンは「お母さん」であると言えますが、では具体的にお母さんの何が発達に影響を与えるのかと考えますと「お母さんのかかわり方」であろうと考えます。言い換えると、我々が行っている早期療育の対象となる子どもさんの発達の不安の原因にも「お母さんのかかわり方」が影響を与えている場合が多いのではないか、ということです。これが我々「療育教室 楽しい広場」が行っております療育の考え方・方法論である「発達療育」の基盤となる考え方の一つです。
言葉の遅れ、多動、かんしゃく、友だちと遊べない、友だちとトラブルが多い、一斉指示が通らないなどの発達の不安の原因を考えていくとき、「お母さんのかかわり方」が重要な要素の一つとして考えられるということになります。そして、これも言い方を換えますと、いろいろな発達の不安の原因を「お母さんおかかわり方」という視点から考えますと、「お母さんのかかわり方」を変えることにより、発達の不安が改善されることがとても多くなるのではないか、ということになるのです。