我々の発達療育では基本的に、子どもさんとお母さんを基本とする養育者との間で、声や動作・表情・視線などの言葉以外のコミュニケーション手段を使い、相手の心の状態を感じ取りながら、お互いの気持ちや意思・感情などを「伝え合う」ことを重ねていく延長上に「発語」あると考えます。
その上で、「視覚優位」の子どもさんの発語が遅れると考えられる原因が二つ考えられます。
一つは「視覚優位」の子どもさんは、自分の大好きな例えばミニチュアの自動車やレゴ、細かいパズル、あるいはアニメの動画や絵本、恐竜の図鑑などを見ながら「一人遊び」をしていることが多いかもしれません。その場合は、お母さんとの伝え合いの量が少なくなりますので「発語」が遅くなる可能性があります。
二つ目は、一人遊びは目立たない場合でも、子どもさんが視覚での情報処理が強い分、声や動作・表情・視線などの手段を使っての細かい「伝え合い」が少ないのではないかと考えます。そういう場合、「発語」が遅れる可能性が考えられます。お母さんとしては、子どもさんが一人遊びばかりしているわけではないけれど、何かコミュニケーションがしっくりこない感じがするのではないかと考えます。