「視覚が強い」子どもさんが、「言葉が遅れる」理由
- 3月18日
- 読了時間: 4分
★「視覚が強い」と思われる子どもさんの特徴は次の通りです。
・記憶力が抜群に良い
・一度見たものは細かいところまで覚えている
・絵本や図鑑を見るのが大好きである
・テレビなどの画面で、小さいときからアニメなどの動画を見るのが好き
・アニメのキャラクターや車の名前や車種などを膨大な数覚えている
・2才~5才くらいで、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字を読むことができる
・一度通った道順を正確に覚えている
・街の中で自分の気に入った商標やマークを指さす
・レゴや細かいブロックで遊ぶのが好き
★「視覚が強い」子どもさんの共通点
二つ考えられます。
1 細かいところが良く見える
2 動画や画像などの視覚情報を大量に記憶している
★「視覚が強い」理由~同時処理機能が強い
子どもさんが「視覚が強い」という状態を考えるとき、「KーABC」という知能検査の基礎理論である「カウフマンモデル」を用いて考えます。その理論の中では、脳の認知処理機能を「同時処理機能」と「継次処理機能」の二つ類型を使って考えています。定義は次の通りです。
【同時処理機能】
複数の情報をまとめ、視覚的・運動的な手掛かりを使って全体としてとらえ処理していく。視覚的な記憶力、全体を部分に分解する能力、空間認知能力などに結び付いていると考えられる。
【継次処理機能】
連続した刺激を聴覚的。言語的な手掛かりを使って、一つずつ順番に分析し処理していく。短期記憶、情報の系列化の能力などに結び付いていると考えられる。
「K-ABC」の知能検査では、検査結果で「同時処理機能」と「継次処理機能」のどちらが強いかが分かります。通常、人間はこの二つの機能のうち、「継次処理機能」の方が強いと言われています。ところが中には「同時処理機能」が強い人がいます。当然子どもさんにもいます。
そして、我々療育教室 楽しい広場の「発達療育」では、「視覚が強い」子どもさんたちは、この「同時処理機能」が強い子どもさんではないかと考えています。なぜなら、「同時処理機能」が強いとしたら、「視覚が強い子どもさんの特徴」の説明が十分つくからです。
★「視覚が強い」子どもさんが、なぜ「言葉が遅れる」可能性があるのか?
我々「発達療育」では、お母さんを中心とした大人との「伝え合い」の積み重ねの延長上に言葉が出て、言葉を使ったコミュニケーションが発達すると考えています。
「伝え合い」とは、相手の心の状態を感じ取りながら、声や動作・表情・視線などの手段を使いながら、お互いの気持ちや感情、要求などを伝え合うことを意味します。
この時、もし「視覚が強い」子どもさんであるとしたら、伝え合いの手段が視覚に偏ることが考えられます。そうだとしたら、「見た」だけで分かったと思ってしまったり、すぐ行動に移してしまったりするかもしれません。
例えば、おもちゃ売り場のところに「プーさん」のぬいぐるみがあったとして、お母さんが「プーさん、顔が大きいね」「プーさん、かわいいね」などと子どもさんに話しかける以前に、自分でプーさんのぬいぐるみを触ったりつかんだりする、というようなイメージです。
こういうことが続いていくと、お母さんは子どもさんとかかわっているつもりでも、「伝え合い」が線のように連続してつながるものではなく、ボツボツと点で伝えるというような感じになるかもしれません。もしそうであるとしたら、自分の要求は伝えるかもしれませんが、その他の気持ちや感情などを伝え合うということは少なくなるのではないかと考えます。ということは、言葉が出る、あるいは言葉を使ったコミュニケーションの発達は遅れるのではないかとと考えます。
★「言葉の遅れ」の改善の方法
カウフマンモデルの理論の中の脳の認知処理機能の二つの類型の中の「同時処理機能」と並ぶ「継次処理機能」が実は言葉の発達に重要な役割を果たしていると考えられています。
つまり、「継次処理機能」には、刺激や情報を順番に分析し、記憶し、更にそれを脳の中で操作して系列化していくという役割があると考えられます。それが言葉の発達に重要なのですが、「視覚が強い」子どもさんの場合、「同時処理機能」が強い分、相対的にこの「継次処理機能」が弱くなるのではないかと考えます。
であるとしたら、「継次処理機能」を伸ばすことを考えます。幼児期の子どもさんの活動の中でそれを伸ばす活動はと考えますと、絵本の読み聞かせ、手遊び、リトミック、ごっこ遊びなどが考えられ、それらを行うことによってお母さんと子どもさんの「伝え合い」が豊かに、そして継続的に行われるようになり、言葉の発達が伸びていくものと考えられます。
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