3才という年令を誕生日を過ぎるころから考えると、つまり3才〇か月というようなお子さんの場合、一般的には3語文(例えば:ママとアンパン見る)が喋れて、ことばでのコミュニケーションである会話ができるようになるなどが、基本的なイメージです。
そういう基準から考えて、例えば発語が20くらいしかないですとか、ことばは話すが2語文が少ししか話せないなど、単に言葉が遅いと言ってもいろいろな段階や状態が考えられます。
そこで今回の場合は、発語は50くらいあっても、2語文や3語文、あるいは会話がまだできないというような3才のお子さんを想定したいと思います。
このようなお子さんの場合、3才の発達の基準からみると確かに遅れは大きい方ですね。ただ、これまでの療育教室 楽しい広場の発達相談の中でもこういう場合、お母さんにお話を聞いていくと、保育園や幼稚園からお家に帰ってきてから3~4時間、ということはほとんどの時間、お子さんにゲームをさせてりテレビの画面などでユーチューブを見せていたというケースが7~8件ありました。他にも言葉が遅れる原因がたくさんありますが、今回のようなケースも確かに、子どもさんの言葉の発達は遅れる可能性が高いと考えます。
さて、ゲームやユーチューブからはいろいろな言葉があふれ出ているのですから、言葉をしゃべるようになるのではないかと考えがちですが、答えは違います。それはなぜか?
言葉は「かわいい、楽しい、やわらかい、おいしそう」などの感情や考えなどを相手に伝えようとすることで出てきます。相手に伝える必要があって言葉が出る前は、お母さんと表情や声、動作、まなざしなどの言葉以外の手段を使って伝え合うという、コミュニケーションします。それを繰り返していくうちに、その延長上に「言葉で伝える」という発語が出てくると考えます。
さて、ゲームやユーチューブに3時間も4時間も毎日夢中になっていると、その裏返しはとても大事なお子さんとお母さんの「伝え合い」がほとんどないということになり、当然発語が少なくなりますね。
それが一番の原因と考えます。
改善の方法は、ゲームやユーチューブの時間を30分くらいにして、お母さんと遊ぶ時間を増やすことが良いと思います。お母さんがお忙しければ10分でも15分でもいいです。その代わり毎日遊んでみてください。子どもさんは、どんどん変わっていくと思います。
今回は以上です。