療育教室 楽しい広場で発達相談を行う際、まず最初に絵カードを使って子どもさんの認知的発達段階を調べ、大きな発達の遅れがないかを確認します。
知的な発達の大きな遅れ、つまり知的な障害が考えられれば、それは子どもさんいろいろな発達の不安に影響があります。ですので、最初に絵カードを使い、言葉の理解で知的な発達の核になる認知的な発達の段階を把握します。
★絵カードは2種類使います。一つは一般的なものの絵、例えばリンゴ、バナナ、車、傘、犬、電車、スプーンなどの絵カードです。そしてもう一つは「食べる」「飲む」「歩く」「洗う」などの動作を描いた絵の動詞カードです。
(2才~2才半)
〇ものの絵カードを5~6枚子どもさんの前に並べ「リンゴはどれ?」「傘はどれ?」と聞き、正しいものを指さしたり、カードを取ったりします。言葉が出ている子どもさんはもちろん名前を言います。基本的なものの名前を10くらい正しく答えられればOKとします。これがOKであれば、だいたい2才~2才半くらいの認知的な発達段階と考えます。
(2才半~3才)
〇同じくものの絵カードを5~6枚並べ、「食べるものどれ?」「ご飯を食べるときに使うものはどれ?」「動物はどれ?」など用途や種類を質問していきます。これも基本的なものを10くらいできればOKとします。これを分類と呼びますが、これができていれば、2才半~3才くらいの認知的な発達段階と考えます。
(3才~)
〇動詞カードを使い、これも5~6枚並べ「食べるはどれ?」「洗うはどれ?」「飲むはどれ?」などと質問していきます。ここで注意をしたいのは「ご飯を食べるのはどれ?」「ジュースを飲むのはどれ?」などと、名詞を言わないことです。名詞でカードを取る可能性があるからです。これもだいたい基本的な10くらいが分かればOKとします。OKであれば認知的な発達段階は3才以上と考えます。
これらによって大きな認知的な発達の遅れがないかが分かります。なければ、いよいよ子どもさんの生活経験の分析に入っていきます。
さて、このとき、机をはさんで指導者と対面で一対一で絵カードの学習をするのですが、時々じっと座っていられず、絵カードの学習ができない場合があります。その時の可能性としては、一つは知的な障害がある場合、もう一つは知的な障害ではないが、何らかの理由でじっとしていられない場合、一番わかりやすいのはそれまでお家で制約なしで自由に生活をしていた場合などです。こういう場合は、お家での生活の様子をお母さんからしっかりお聞きすることが重要になってきます。