子育て発達コラム 『がまんを身に付ける』
- 崇弥 伊澤
- 8月13日
- 読了時間: 2分
よくインターネットで発達障害児支援を行う児童デイサービスの発信が見受けられます。その中で「幼児期の発達障害児の特徴」を挙げられているところがあります。その中で「かんしゃく」がその特性の一つとして入っています。
我々、子どもの発達の流れを把握した上で、個々の子どもさんの生活経験の分析から発達の不安の改善を図る立場からすると、かんしゃくに関して障害以外に原因が考えられます。それは「がまんが身に付いていない」場合です。
「がまんが身に付いていない」ということは、「がまんをした経験がない」「がまんをしなければならない場面でも、最後はお母さんが根負けをして要求を通してしまう」ような場合です。「自分の思う通りにならないことはない」と子どもさんが感じているということです。ということは、発達障害児ではなくても子どもさんが生活経験によっては、がまんが身に付かない場合も考えれますし、「いやだ、いやだ」かんしゃくを起こすことも考えられるということです。
医師が子どもさんを自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害と診断するとき、お母さんやお父さんにそれまでの成育歴やお家での生活の様子を聞くことはほとんどありません。医学的には目に見えるものを根拠にして診断します。血液検査やMRIなどでも障害かどうかが分からないとしたら、目に見える子どもさんの行動を見ます。しかし、なぜそのような行動が起きたかの原因については考えないという立場です。それはそれで一つの立場の見方で成立します。
さて、子どもさんの「生活経験を分析して原因を考える」立場で子どもさんの発達の不安を改善するという早期療育では、行動だけではなく行動の原因を考えます。その時の基盤になるのが「目に見えない心の働きの発達」を考える発達心理学であり認知心理学です。そして、医学的診断と大きく違うのは、発達の不安の原因を考える際にお母さんやお父さんから子どもさんの成育歴や現在の生活の様子をお聞きすることです。「どのような生活経験をしてきたか?」を聞くためです。そのような立場からすると、子どもさんのかんしゃくの原因は「がまんが身に付いていないのではないか?」と考えることができるのです。