子育て発達コラム 「子どもを自由に伸び伸びと育てているお母さん」
- 崇弥 伊澤
- 2月5日
- 読了時間: 2分
子どもが元気にたくましく育ってほしいという願いをもって、自分の子どもさんを「自由に伸び伸び」と育てられているお母さんがおられると思います。毎日子どもがニコニコ笑顔で過ごすのを見ているのがうれしい、という感じなのでしょう。さて、そういう状態が2才から3才頃まで続きますと、問題点も出てきます。
一つは「言葉が遅れる」可能性があるということ。二つ目は自分の思う通りにならないと大声を出して騒ぎだす「かんしゃく」が多くなる可能性があるということ。三つ目はお家にいても外に出てもじっとしていることができない「多動」の状態になる可能性があるということです。
今回は一つ目の言葉の遅れについてです。多分お母さんは自分の子どもさんが自由に伸び伸び過ごすためには、毎日の生活の中で子どもさんがやりたいようにさせている可能性があります。もしそうだとしたら、やはり子どもさんは自分の思う通りにできるので「お母さんとしゃべる必要がない」「伝え合う必要がない」状態にあると考えられます。そうであれば、「伝え合う」経験の延長上に「発語」や言葉の発達があると考えたとき、言葉の発達が遅れる可能性があると考えられます。子どもさんを「大事に大事に」育てているお母さんとの共通点が見えてきます。
このような状態にあると感じられた場合、お母さんには子どもさんと「伝え合う経験」をどんどん増やすようにアドバイスをしています。手っ取り早いのは「待つ」とか「我慢する」などの自分の思う通りにならない場面をたくさん経験させることです。嫌が上でも「伝え合う」ことが増えていきます。本来「もうちょっと待ってて」ですとか「もうちょっと我慢して」という場面は、2才・3才と大きくなるにつれて増えていきますが、「自由に伸び伸び」育てた場合は、お母さんが意図的にそういう場面を作らなかった可能性があります。ですので、本来の普通の日常生活に戻せば「自分の思う通りにならない場面」というのはそこら中にあるということですね。これにはお母さんにもエネルギーが必要ですが、そこは子どもさんの言葉の発達を伸ばすためにひと踏ん張りしていただければと思います。