2才代、3才代の子どもさんで、お家や保育園・幼稚園などで遊んでいるとき、例えば積み木で遊んでいるかと思えば、ほかの友だちが遊んでいるブロックで遊びたくなってそれを取ってしまったり、かと思ったら、遠く離れたところにふらふらと歩いて行ったりするような子どもさんが、おられると思います。「じっと一つのことで遊べない」という感じです。
こういうお子さんがいたとき、知的障害や自閉症などの発達障害以外からその原因を考えてみます。まず。原因として一番考えられるのは、このお子さんが「視覚優位」という身体的特徴があるのではないかということです。「視覚優位」というのは、写真を撮るようにしての視覚的な情報の処理の能力ががとても強い、ということです。
こういうお子さんの場合、記憶力が抜群に良い、2才代・3才代で平仮名や数字などに興味をもち読むことができる、絵本や図鑑が大好きなどの特徴があります。だとしたら、例えば保育園の一つのスペースでみんなと一緒に遊んでいるとき、他のお子さんたちより細かいところまでよく見えると思われますので、自分の興味のあるものがたくさんあれば、いろいろなところへ行きたがると考えます。
そして「じっと一つのことで遊べない」原因がもう一つ考えられます。それは「相手を見て、人の話を聞く」という「コミュニケーションの基本」ができていないのではないかということです。子どもさんたちは、お母さんを中心に大人と遊びながら、相手を注目し、人の話を聞くことを自然に学んでいきます。ところが、そういう大人と遊ぶ経験が少なく一人遊びが多いと、他の人にかまわず自分の興味のある所にどんどん行ってしまうということが考えられます。
人や物を「注目する」ということは、いろいろな刺激を受け入れるという面でとても重要なことです。幼児教育の分野で七田式教室があります。その指導方法の中で、20枚あるいは30枚くらいある絵カードを名前を言いながらどんどん見せていく「フラッシュカード」という方法があります。対象となる子どもさんは2才・3才くらいのお子さんから、下は6か月くらいの赤ちゃんも含まれます。ではフラッシュカードは何のために行うかといいますと、「注目する」ということ身に付けることです。それだけ、人やものを注目し人の話を聞くという「コミュニケーションの基本」を身に付けるということは重要な能力であるということが言えます。
以上が「子どもさんお興味がどんどん移り変わる」「じっと一つのことで遊べない」障害以外の考えられる理由です。