「どれを取ってほしいの?」「あれ」
「この中で一番かわいいのはどれ?」「これ」
「キティちゃんのキーホルダーはどれ?」「それ』
以前「あれ』「どれ』「これ』「それ』などというあいまいな言葉は、子どもたちが混乱するだけだから使わないようにしましょう、という立場で早期療育をされている方がいるという話を聞いたことがあります。現在もおそらくいらっしゃることでしょう。
我々療育教室 楽しい広場の早期療育では、早期療育の対象の子どもさんに対して、もちろんこれらの言葉の使用の禁止、制限などはしません。
例えば、分かりやすく大人が上記の三つの会話をしているとして、そのとき言葉と一緒に指差しをするかもしれません。そして視線の向け方も違うかもしれません。それらを含めて、「あれ』は離れたところにあるもの、「これ』はすぐ前にあるもの、「それ』は少し離れたところにあるものと、言葉を理解していくと考えます。
子どもは「あれ』「どれ』「これ』「それ』などの言葉を大人の会話ややり取りを何度も繰り返し聞いて見て、その言葉の使い方を学び身に付けていくと考えます。つまり、相手の心の状態、その場の状況を感じ取り、それの応じた言葉の使い方を覚えていくものと考えます。早期療育の対象である発達に不安のある子どもさんでも、言葉を覚えていく速度は違っても、道のりは同じということです。