来る7月28日(日)、10時~12時、札幌市社会福祉総合センター 第2会議室におきまして、幼稚園教諭や保育士、児童デイサービス指導員、言語聴覚士の方々などを対象とした「第29回 札幌療育セミナー」を開催いたします。
今回のテーマは」「3才の発達の重要性~言葉を使ったコミュニケーションの高度な発達 =会話の成立=」です。
3才は1才と同様に、発達の重要な節目です。この時期に健診があるというのもそういう理由があるのでしょう。そういう重要な発達の節目の時期にある「会話の成立 」につきまして、今回は説明をしてまいりたいと思います。
会話の成立のためにはたくさんの能力が必要と考えられますが、今回は次の4つの能力を考えます。
1 認知的能力(ピアジェの認知発達論を基本にします)
・象徴的能力(あるものを別なもので表す)に加え、事物の本質をとらえる思考の仕方である「概 念)を使い、事物を分類したり関連付けたりすることが進化してきます。
2 言葉の能力
・動詞や形容詞が分かるようになり、それらを理解するだけではなく発語することにより、言葉で話をする際にボキャブラリー(言葉の数・種類・使い方・言い回しなど)が豊かになります。
3 コミュニケーション力(やりとり)
(1)コミュニケーションの基本である「相手を見て、人の話を聞く」ことが身に付きます。
(2)相手の心の状態を感じ取りながら、考えや気持ち、感情などを伝え合うことができるようになります。(意図的コミュニケーション)
4 対人関係
・それまで人とのかかわりが大人中心であったのが、3才くらいからお互いに合わせることをしない、真剣勝負の子ども同士のやり取りをするようになり、対人関係が広がります。
今回は、会話が成立し、更に発達していくために必要な能力を考えていくとともに、この時期における会話の発達の遅れ、あるいは話をしているときに突然違う話をし始めたり、話をしているときに自分の世界に入ってしまうなどの、会話に関しての発達の不安やその原因、改善方法について説明をいたします。