人間の発達において重要な二つの発達があります。
一つは「知的な発達」です。認知能力と呼ばれる、知る、記憶、比較するなどするなどの能力を使って「考える」という能力の発達が中心になります
そしてもう一つが「社会性の発達」です。人間は一人では生きていけません。人の集まりである社会の中で生きていきます。その中で必要になるのが「約束やルールを守る」「協力する」「人が嫌がることをしない、言わない」などを含む「社会性」です。
更にこの二つの発達双方にかかわる重要な能力が「言葉」であり「言葉を中心としたコミュニケーション」です。
さて社会性は、3才頃から育ち始めます。最終的にはそこから人間が死ぬまで生きていく上では必要な能力となります。
3才で伸びる発達がたくさんありますが、その中で子どもは場面や状況を理解して、それに応じて適切な行動ができようになります。そして、その場面や状況に応じて、我慢をしたり待ったりする「自己抑制」ができるようになり、それが「自分で自分の行動をコントロールする力」である「自律性」の発達につながっていきます。
「社会性」というものは。ある年齢になったら自然に育つものではありません。きちんとした生活経験の積み重ねで発達していくということです。いくら頭が良くても社会性がなければ社会の中で人間として生きていくことは難しいことになります。
幼児期の子どもたちにとっても、多動であったり、かんしゃくが激しかったり、集団での活動をみんなと一緒にできなかったり、友だちとトラブルが多いなどの発達の不安が、社会性の発達にかかわるものです。
ということは、これらの発達の不安の原因は、知的障害を除けば自閉症などの発達障害だけではなく、生活経験の仕方に原因が考えられるということになります。このことが、療育教室 楽しい広場が推し進めている発達療育の考え方の根幹になるのです。