「真似をする」ということは、心理学などの専門用語で言いますと「模倣する」ということです。発達心理学を基盤にしますと、だいたい1才半前後を目安として子どもさんたちは真似をし始めます。一番分かりやすいのは真似をして「手遊びをする」があります。あるいはものを使って動作を真似する、例えばテーブルを布で拭く真似をする、ブラシをもって髪にあててブラシをかける真似をする、あるいは家庭で使う掃除用のモップをもって床を拭く真似をするなどです。この「真似をする」言い換えると「模倣する」は、発達上とても重要なことと考えられます。
では、「真似をする」「模倣する」ということの何が重要なのでしょう?「手遊び」で言えば「人を注目する」ということがとても重要なことです。そしてものを使って動作を真似る場合は「ものの用途が分かる」ということも重要になるかもしれません。
しかし、ここでものを使う使わないを含めて、「真似をする」「模倣する」ということの重要な点は「物事の順序を記憶することができる」ということなのです。「物事の順序を記憶すること」がそれ以降の記憶力の飛躍的な伸長につながるのです。そしてそれはことばを使ったコミュニケ―ション、更には考える力につながっていきます。
そう考えますと「絵本の読み聞かせ」というのも、「物事の順序を記憶する力」を伸ばす上では重要な遊びということになります。
百年以上にわたって行われてきた幼児教育は伊達ではないということですね。